8月3日:第1回GDRR公開研究会のご案内

◆テーマ:【災害時の女性と子どもへの暴力】

災害時の女性と子どもへの暴力の実態、必要な取組みなどについて、参加者の皆さんと参加型のワークショップで考えていきます。旧「東日本大震災女性支援ネットワーク調査チーム」が行った調査についても、ご紹介します。

ご参加をお待ちしています!

◆報告:吉浜美恵子(ミシガン大学教員)
   柘植あづみ(明治学院大学教員)
   ゆのまえ知子(NPO法人フォトボイス・プロジェクト共同代表)

◆日時:8月3日(日) 13:00~17:00 (受付12:40開始)

◆場所:キャンパスイノベーションセンター東京 501AB室
〒108-0023 東京都港区芝浦3-3-6 (map)

定員:35名(先着順)

◆参加費:資料代として300円

◆申込み:7月31日(木)までに、こちらの《専用フォーム》からお申込みください。

◆主催 減災と男女共同参画 研修推進センター(GDRR)
   

最近の講師派遣の様子~広がりが出ています

減災と男女共同参画 研修推進センターでは、講師派遣も重要な取り組みとなっていますが、昨年の冬頃以降(東日本大震災女性支援ネットワーク時代)この6月までの派遣実績を振り返ると、派遣先に広がりが出てきています。

ありがたいことに、引き続き女性関連施設からのお声掛けをいただいておりますが、加えて、下記のような団体や活動背景を持つ方の前でもお話をさせていただく機会があり、災害とジェンダー・多様性配慮のテーマの重要性に対する認識が、徐々に広がってきているように感じています。

7月以降も、男女共同参画センターの人材育成研修や、自治体の防災・男女共同参画担当職員向け研修や、自主防災リーダー(=主に自治会・町内会等の役員さん)対象の研修など、さまざまなところで、参加者のみなさまとご一緒に充実した学習の場を作っていけるよう努力していきます。

千葉センター_6月29日 図上演習4 千葉センター_6月29日 図上演習2

6月に千葉市男女共同参画センターで実施したトレーナー養成研修より。男女共同参画の視点を入れた、実践的な避難所開設・運営図上訓練に取り組んでいる様子。


<最近の特色ある講師派遣先の例>

県の民生委員・児童委員協議会の研修、消防大学校や人と防災未来センターにおける自治体・消防署職員向けの研修、市の管理職職員向け研修、災害ボランティアセンターの開設・運営を担う社会福祉協議会職員向けの研修、自主防災リーダー向けの避難所開設・運営図上訓練などです。

自主防災リーダー向け 研修報告(静岡)

静岡県では、平成34年までに県内すべての自主防災組織で女性が役員として参画すること、また平成29年までに全市町が男女共同参画の視点を入れた防災講座を開催することを「地震・津波対策アクションプログラム2013」の中で目標に掲げています。

地域の防災活動への女性の参画は、防災基本計画や内閣府男女共同参画局の「取り組み指針」でも重要視されています。責任ある立場で女性たちが地域の防災活動に参加していなければ、いざという時に女性が力を発揮することはできません。

静岡県は自主防災組織の結成率が100%に近く、活動も活発ですが、その担い手の中心は男性であり、女性が責任ある立場で関与している地域はまだまだ少ないのが現状です。

実際には、土台にある地域自治への女性の参画が進まない限り、これはかなり野心的な目標だと思います。そう思っていたところ、何と10年以内に自主防災組織の役員の女性比率5割を目指すという自治体が静岡県にありました。必要だからやるのだそうです。

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最近、池田は静岡県自治会連合会理事会や、藤枝市地域防災指導員養成講習会などで研修を行う機会がありました。どちらの研修も、参加者の大多数は男性でしたが、シルバー世代の男性だけでは地域防災は限界だという危機感は共有されていました。そこで、いかに女性の参画を増やしていくのかということが主なテーマになりました。

終了後には、「やれる人が性別関係なく動けるようにしていくしかない」という感想が多く聞かれました。一方で、静岡県では女性防災リーダーの人材育成にも力を入れているのですが、その研修を修了した女性たちがなかなか自治会や自主防災会に繋がれないという問題も、男性リーダーたちから指摘されました。現状では、男女別の機会を作って行っている防災リーダーの養成は、今後、男女が共同作業を行う場を作り出していく方向へ発展させていく必要があると思いました。

東北訪問〜東北の女性たちの声

GDRRの池田と浅野は、4月2~3日にかけて宮城県の南三陸町と気仙沼市を訪ね、被災地の女性たちの声を聴かせていただきました。新たな団体の活動のスタートにあたり、改めて現場の様子や生のお声にきちんと触れさせていだくことが不可欠と考えたためです。

2日の午後と3日の午前は、登米市を拠点に女性の視点で被災者支援を行っているNPO法人ウィメンズアイとNPO法人とめタウンネットのスタッフのご協力・ご案内をいただきながら、登米市と南三陸町でそれぞれお話を聞きました。
 

●とめ女性支援センター/登米市内の仮設住宅

初日の午後は、とめ女性支援センターで運営されているカフェにうかがってお茶をいただきながら運営の様子を伺ったのち、登米市内の仮設住宅を訪ね、南三陸町上山八幡宮禰宜の工藤真弓さんにもお話を伺いました。

宮司の家に生まれ育った工藤さんは、仮設住宅でのサロン活動を行いながら、南三陸町志津川地区まちづくり協議会公園部会副部長として、実際の復興計画づくりにも参加するなどしてこられた、パワフルな方です。

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とめ女性支援センターで運営されているカフェ。お茶もケーキも、とってもおいしかったです。

 

●南三陸町被災者生活支援センター・南三陸町婦人防火クラブ・南三陸町愛の手をつなぐ親の会・戸倉地区波伝谷自治会 他

翌日は南三陸町へ移動し、まず、南三陸町被災者生活支援センターで生活支援員をなさっている女性と懇談した後、南三陸町婦人防火クラブおよび南三陸町愛の手をつなぐ親の会会長(障がいを持つ子の親の会)を務める、千葉みよ子さんからもお話を伺いました。千葉さんは、お連れ合いと障害をもつ次女と仮設住宅で暮らしておられます。津波でご長男とご長女を亡くされ、次女も津波で心身ともに傷を負うという状況の中で、懸命に家族と地域のために頑張ってこられた方です。

お昼は戸倉地区の波伝谷へ向かい、津波で流されたレストラン“慶明丸”を再建して頑張っておられる三浦さきこさんを訪ねました。地区の高台に建設された仮設住宅で自治会長を務めながらの営業です。新鮮な魚介と、青々としたワカメやカキがたっぷりのお鍋のついたランチをいただきました。

その後は、気仙沼市本吉地区へ向かい、シャンティ国際ボランティア会気仙沼事務所の紹介で、この地区出身の若手の女性たちからお話をうかがいました。

 

●女性たちの取り組みが復興の力に

ウェブサイトでは詳細な内容をお伝えすることはできませんが、感想を書きます。
震災から3年目の現状を伝える報道でも共有されたように、被災地の復興はまだまだ途上にあります。そうした中、被災した女性たちはさまざまな困難に向き合いながらも、それぞれの場所で、くらしのために、そして地域のために、懸命にできることに取り組んでいることが伝わってきました。

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とめ女性支援センターが運営するカフェの中にある、女性たちが制作した作品の展示販売ブース

 

地域が復興するにはまだまだ時間がかかることが予想されますが、女性たちの取組みの一つひとつは、着実に被災地の復興の力になっていると感じます。

ただ、やはり仕事の面での不安を持つ方もおられ、依然として雇用の厳しさが浮かび上がってきました。生活支援員の仕事もいつまで維持されるかわかりません。支援員としてコミュニティ・ケアの経験を積んだ地元の若い人材が、その経験を生かして就ける職業を見つけることも難しい現状に、歯がゆさを感じました。

浅野が6月にふたたび気仙沼を訪れた際にお話をうかがう機会があった母子家庭のお母さんは、お子さんがPTSDを発症したこともあって勤め先を辞めざるを得ず、現在は新たな経済的な安定の道を模索していました。水産加工の現場では人手不足との報道もあるため、そうした仕事には興味がないのか伺ってみると、津波の記憶が生々しく、浜に近いところで働くのは怖いとのことでした。

いずれにしても、女性の場合は低賃金のパート労働に就く以外に選択肢がほとんどない状態です。特に母子家庭の場合、お子さんが小さいうちはまだしも、中学、高等と年齢が上がるにつれ、教育費をどうするかが大きな問題になってきますので、大きな都市に出ることも考えているという方とも出会いました。

復興庁男女共同参画課の復興の取組み事例集では、就労支援や起業の事例も紹介されています。厳しい状況でありますが、スキルアップの機会や、支え合い仲間づくりにもつながるような交流の場を設けるなど、被災した女性たちが少しずつでも回復し力を得ていくことができるよう、環境を整えていくことが不可欠であると、改めて感じました。

 
▼男女共同参画の視点からの復興~参考事例集~(第6版)[平成26年5月23日公表]
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-16/20130626164021.html

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