熊本地震:避難所、感染症警戒 南阿蘇村ノロウイルス検出

熊本地震:避難所、感染症警戒 南阿蘇村ノロウイルス検出
(毎日新聞2016年4月23日 21時42分)

 熊本地震被災者の避難所になっている熊本県南阿蘇村立南阿蘇中学校で、避難者の男女25人が下痢や吐き気などの症状を訴え、一部の人からノロウイルスが検出されたことが23日、分かった。ノロウイルスの感染は他の避難所でも確認されているほか、インフルエンザ患者も出ている。衛生状態の悪化で感染症流行の恐れが高まっており、県は「手洗いを徹底してほしい」と注意を呼びかけている。

 日本医師会から南阿蘇村に派遣された松本久医師によると、断水で水が出ないため、避難者らはトイレで、くみ置きの水を使って手を洗ったりしていた。この水を介して感染が広がった可能性があるという。村はトイレを消毒した。
 熊本県などによると、避難所のノロウイルスの感染者は南阿蘇村のほか、菊池・阿蘇・御船の三つの保健所管内の4避難所で8人、熊本市の7避難所で7人が確認されている。いずれもトイレが感染源になっている可能性が高いという。自治体の管理が行き届かず、避難所のトイレの清掃が十分でなかったり、トイレと避難スペースを土足で行き来したりするケースもある。

 一方、インフルエンザ患者は菊池、御船、宇城の三つの保健所管内の4避難所と、熊本市の6避難所で計16人の患者が確認されている。
 蒲島郁夫知事は記者団に「市町村と一緒に予防と対応、治療に取り組む」と述べた。

 避難所で感染症が流行しかねない状況に、南阿蘇村の避難者から不安の声が漏れた。同村河陽の古沢五年生(いねお)さん(74)は「疲れもたまり、ここで病気になってしまうと長引かないか心配だ」。同村長野の渡辺茂子さん(72)は「避難所は人が多く、すぐに感染してしまわないか不安。しっかり予防して、自分の身は自分で守りたい」と話した。
 14日の地震発生から9日を過ぎても熊本県内では6万7000人以上が避難生活を余儀なくされている。

▼感染症を防ぐ主な予防や対策

◆ノロウイルス
・消毒液で扉の取っ手や水道の蛇口、トイレの便座、ふた、吐しゃ物で汚れたところを消毒
・消毒液がなければ水500ミリリットルに対しペットボトルのキャップ2杯分の家庭用塩素系漂白剤を混ぜて作る
・吐しゃ物、汚物はマスクや手袋を着用してペーパータオルなどで拭き取りビニール袋に入れ、封をして廃棄

◆インフルエンザ
・アルコール製剤による手洗い
・せきやくしゃみが出るときはマスクを着用
・十分な休養とバランスの取れた栄養摂取
※厚生労働省などの資料を基に作成

http://mainichi.jp/articles/20160424/k00/00m/040/041000c?fm=mnm

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