令和6年能登半島地震の発生に際してのお見舞いと支援関連情報について

令和6年能登半島地震で被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。

支援関係者や報道からは厳しい被災地の状況が伝わっており、生活困難の増大、そして災害関連死などの二次被害につながることが懸念されます。

そこで、以下に支援に関する情報を掲載させていただきます。

なお、すでにさまざまな機関・団体が現地の被害や支援に関する情報を発信しておりますので、当センターでは、それらも踏まえつつ、必要なところへ情報をお届けできればと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2024年1月7日

減災と男女共同参画 研修推進センター

1)災害時の防犯啓発・対策は、人権と助け合いの観点からの取り組みをお願いします

  
詳しくは<災害時の防犯啓発・対策について>をご覧ください。

【ポイント】

・犯罪が起こりにくい環境の整備とそのための体制、相談機関の情報提供が重要。

・女性と子どもにだけ自助努力を押し付けるような啓発にしない。
みんなで(男性も含む)協力しあいながら防犯対策をしていくことがカギ!

・外国人や障害者の方などの差別・排除を生まないように注意しましょう!!
思い込みだけで不審者扱いすることがないように、あくまで人権の視点で!

・不安をむやみにあおり、相互不信を生むような啓発・報道にならないよう、犯罪防止の対策もセットで具体的に伝えることを心がけてください。

2)内閣府が策定した「男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン」

および「避難所チェックシート」について

https://www.gender.go.jp/policy/saigai/fukkou/guideline.html

▼ポイント(詳しくは上記のリンクへ)

この政府のガイドラインには、防災・復興全般について、女性の視点/男女共同参画の視点からとるべき対策が平常時の備え、初動段階、避難生活、復旧・復興の4つのフェーズごとに示されている。

第3部の便利帳には、「避難所チェックシート」が掲載され、

①避難所のスペース(プライバシー・要配慮者・トイレ・入浴施設・安全)、
②避難所の運営体制・運営ルール、
③暴力防止・安全の確保、
④衛生環境・感染症予防、
⑤在宅避難者を含む避難所以外の避難者への支援

の5つのカテゴリーで具体策が簡潔に示されている。

災害時の防犯啓発・対策について

ここでは、災害時の防犯啓発・対策について、4つの項目にまとめました。
なお、以下の各項目をクリックすると、直接、その説明か所に飛ぶことができます。

【1】ポイント
【2】解説
【3】具体的な対策について
【4】相談機関の情報

【1.ポイント】

・犯罪が起こりにくい環境の整備とそのための体制、相談機関の情報提供が重要。


・女性と子どもにだけ自助努力を押し付けるような啓発にしない。みんなで(男性も含む)協力しあいながら防犯対策をしていくことがカギ!

・外国人や障害者の方などの差別・排除を生まないように注意しましょう!! 思い込みだけで不審者扱いすることがないように、あくまで人権の視点で!

・不安をむやみにあおり、相互不信を生むような啓発・報道にならないよう、犯罪防止の対策もセットで具体的に伝えることを心がけてください。

【2.解説】


災害時には、避難所でのプライバシーの確保が難しい集団生活、停電などにより照明や街灯の明かりが得られない、といった状況から防犯面のリスクが高まる場合があります(注1)。過去の災害における学術調査によって、その被害の実態の一部も明らかにされています(注2)。

しかし、女性や子どもたちが、防犯面の不安や対策の要望について声を上げたり、相談をすることが難しい状況に直面する傾向にもあります。なぜなら、避難所の運営関係者や地域の防災リーダーに女性が少ない、声をあげて避難所に居づらくなってしまっても他に暮らせる場所がない、携帯電話を紛失した、充電できない、相談先がわからない、相談を他人に聞かれる心配、といった状況が生じるからです。

女性や子どもなどに対して、自分自身で防犯面に気を付けるように、複数で行動するように、といったメッセージが出されるケースがありますが、個人で自分の身を守るには限界があります。また、どうしても一人で行動せざるを得ない場面もあるでしょう。そのため、犯罪が起こりにくい環境づくり(プライバシーの確保、男女別の更衣室・トイレ・入浴設備)や相談機関の情報の提供、被害を受けた人の相談支援体制づくりなどが重要となります。

一方で、関東大震災時の教訓を忘れてはいけません。朝鮮人や聴覚障害者、地方から上京していたひとなどが、犯罪者・不審者あつかいされて悲劇を招きました。

現代の災害でも、外国人の方、障害者の方、トランスジェンダーの方などが不審者あつかいされたり支援から排除されてしまう可能性があります。

それだけに、災害時の防犯対策は特に、人権の視点とセットで取り組む必要があります。特に、むやみに恐怖をあおるだけの防犯啓発は、相互不信によって協力しあう機会を損ねたり、人権の視点を押し流してしまう危険性があります。そのため、対策を具体的に提示してください。その内容は【3. 具体的な対策について】に示しました。

そして、人道支援の国際基準およびわが国の避難所運営マニュアル等にも記載されているように、被災者支援のための施設整備にあたっては、女性・少女、高齢者、障害者の意見も取り入れることが必須とされています。それは、単に施設の使い勝手だけでなく、犯罪被害に遭う可能性の高い人たち自身の不安や要望・提案の反映を可能とし、防犯対策の効果を上げることにつながります。

なお、防犯の専門家によると、犯罪の発生について考える見る場合に、犯罪原因論と犯罪機会論のふたつの観点があるそうです(注3)。犯罪原因論は、犯罪をする人の動機に焦点をあてるものですが、犯罪の動機はさまざまなのでそこに焦点をあてても犯罪を未然にふせぐことは容易ではありません。そのため海外では、犯罪機会論、つまり犯罪を引き起こしやすい環境に焦点を当て、それを改善することで防犯対策を行うことが重視されているということです。

日本では犯罪を起こしにくい設計という発想がまだ弱いだけに、災害時の防犯対策でも、環境面の改善にしっかり目を向けていくことが重要です。

また、男性だけが防犯対策の担い手であっても、女性は不安を伝えたり、相談したりしにくいものです。防犯対策を男女が共に担う体制が必要です。

もちろん、避難所運営体制に女性や子育て世代も参画する、防犯ブザーの配布や防犯巡回を工夫する、相談機関情報を積極的に提供するなど、ソフト面での対策も不可欠です。

【3.具体的な対策について】

内閣府が策定した、
男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン
およびその中の
避難所チェックシート
の防犯に関わる部分を中心に、具体的な対策のあり方について記述します。

女性・子ども等に対する暴力の防止・安全確保


*性暴力・DV防止に関するポスター等を避難所の見やすい場所に掲示する

*トイレ・更衣室・入浴設備を適切な場所に設置し、照明や防犯ブザーで安全を確保する。

*避難所の巡回警備は男女ペアで行う

*女性トイレと男性トイレは離れた設置され、安全で行きやすい場所にある

*女性トイレや女性更衣室には女性が巡回する

*女性相談員や女性専用窓口を設置する

*警察、病院、男女共同参画センターや女性支援団体と連携する


避難所の設置・運営


*避難所の管理責任者に、男女双方を配置する。

*避難者による自治的な運営組織に、女性の参画を促す。少なくとも3割以上が女性となることを目標にする。

*「避難所チェックシート」を活用し、巡回指導を行う。

*避難所での生活ルール作りを行う際には、女性の意見を反映させるように促す

*避難者の中には、DVやストーカーの被害者が含まれている可能性もあることから、避難者名簿に個人除法の開示・非表示について確認を行う欄を設け、個人情報の管理を徹底する。

環境整備の具体的な項目

*詳しくは以下の図に示した「避難所チェックシート」の①避難所のスペースを参照してください。

*チェックシートでは、プライバシー・要配慮者・トイレ・入浴施設・安全・その他の項目に分けて、男女別の配慮の具体項目を示しています。

*また、多目的トイレ、個人で使える更衣室やシャワールームも必要です。男女別のトイレ・入浴施設・更衣室だけでは困る方たちもいらっしゃるためです(高齢者や障害者のトイレ・入浴の介助を異性のパートナーや親が行う必要がある場合、トランスジェンダーの人、生理中の女性など)。

チェックシートのその他の項目

*前述の内容と重なりますが、②避難所の運営体制・運営ルール、③暴力防止・安全の確保、④衛生環境・感染症予防、⑤在宅避難者を含む避難所以外の避難者への支援、の5つのカテゴリーで具体策が示されています。

*なお、女性は2人以上で行動する、という内容も入っていますが、既に述べたように、やむをえず一人で行動せざるを得ない場合もありますし、そもそも女性や子ども自身の努力だけで暴力を防ぐことは難しいので、組織やコミュニティとしてみんなで協力して各種の対策を行うことが不可欠です。

(注1)ときおり、「災害時に性犯罪が増加した」という情報を目にしますが、これは不適切と考えます。国内の災害においても、性暴力やDVが起きていたことは、当センターの前身団体が学術調査によってあきらかにしていますが(注2参照)、増加したかどうかは明らかになっていません。平常時でも、性暴力が表面化するのはごく一部であり、ましてや災害時には警察に被害の届け出をしたり、相談機関に連絡することも難しいため、統計的に把握することは難しいためです。また、本文でお伝えしたように、恐怖をあおるだけの情報発信は相互不信を招き、被災現場における防犯のための協力を促すことを難しくする可能性があります。したがって、当センターでは、災害時の防犯問題は、丁寧に伝えることをこころがけています。災害時にも性暴力やDVが起きていた事実はお伝えしつつも、プライバシーの得にくい集団生活や停電等により「平常によりも防犯面のリスクが高まる傾向がある」という伝え方を採用しております。そして、具体的にどのような対策をとるべきかをしっかりとお伝えするようにしています。

(注2)以下の報告書にまとまっており、リンクから全文ダウンロード可能です。

東日本大震災女性支援ネットワーク調査チーム編、2013発行、『東日本大震災「災害・復興時における女性と子どもへの暴力」に関する調査 報告書』、東日本大震災女性支援ネットワーク。

http://risetogetherjp.org/?p=4879

(注3)小宮信夫、2015、『見てすぐわかる犯罪地図 なぜ「あの場所」は犯罪を引き寄せるのか』 青春出版社.

【4.相談機関の情報】

性暴力・DV被害などの相談先一覧

<警察庁>

◆各都道府県警察の性犯罪被害相談電話につながる全国共通番号

♯8103(ハートさん)

 ※説明のウェブサイトはこちら

https://www.npa.go.jp/higaisya/seihanzai/seihanzai.html


<内閣府男女局と全国の関係機関>

◆性暴力ワンストップ支援センター 全国共通番号 

♯8891 

※説明のウェブサイトはこちら

https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/consult.html

※全国の最寄りのワンストップ支援センターにつながります。

 (いしかわ性暴力被害者支援とセンター「パープルサポートいしかわ」も含む)

◆性暴力のSNS相談 キュアタイム

※以下からチャットやメールで相談できます

https://curetime.jp/



◆DV相談ナビ 全国共通番号

♯8008

※説明のウェブサイトはこちら

https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/dv_navi/index.html

※最寄りの相談機関につながります

◆DV相談プラス(メール、チャット等でも相談可能。以下のリンクから)https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/dv_navi/index.html

<被災地の相談機関>

◆石川県女性センター 女性なんでも相談室 
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/jyoseicenter/soudan.html

◆石川県女性相談支援センター
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/josou/soudansien/index.html

◆金沢市相談窓口(DV、女性のお悩み、性被害など)https://www4.city.kanazawa.lg.jp/soshikikarasagasu/divercityjinkenseisakuka/gyomuannai/4/2/1111/8180.html

◆富山県民共生センター 相談コーナー
https://www.sunforte.or.jp/consul/stCnsCtg.aspx

◆富山県高岡市男女平等推進センター相談室
https://www.city.takaoka.toyama.jp/gec/kurashi/kyodosankaku/sodanshitsu.html

◆富山県女性相談センター
https://www.pref.toyama.jp/1257/kensei/kenseiunei/kensei/soshiki/12/1257.html

◆新潟県上越市男女共同参画推進センター女性相談
https://www.city.joetsu.niigata.jp/soshiki/danjo/danjo-consult.html

◆新潟県男女平等推進相談室(チャット相談)
https://npwf.jp/danjyobyodosoudan-chat2022/

◆新潟県女性のための相談窓口「にいがたRibbon net」
https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/seisaku/ribbonnet.html

 

開催報告「東日本大震災から10年 ジェンダー視点で防災・減災を考える 連続学習・交流会 第1回 防災・復興政策にジェンダー視点はどこまで反映されたのか?  ~ 東日本大震災から熊本地震等を経て新ガイドラインへ ~」

2021年1~3月にかけて、「東日本大震災から10年 ジェンダー視点で防災・減災を考える 連続学習・交流会」をオンラインで開催し、多くの方にご参加いただきました。

今回は、その第1回(1月22日(金)18:30~20:30)「防災・復興政策にジェンダー視点はどこまで反映されたのか?~ 東日本大震災から熊本地震等を経て新ガイドラインへ ~」の概要を報告します。
当日の報告者は当センター共同代表の浅野幸子です。

1月22日「東日本大震災から10年 ジェンダー視点で防災・減災を考える 連続学習・交流会」開催レポート

※内容をよりわかりやすくするため、加筆した記事を作成し、2021年6月11日に差し替えました。

東日本大震災から10年 ジェンダー視点で防災・減災を考える 連続学習・交流会

東日本大震災が発生してから、間もなく10年を迎えますが、ジェンダー視点の防災・復興政策どこまで進んだのでしょうか?

被災地はジェンダー視点から見てどのような状況なのでしょうか?

一方で、各地ではさまざまな取り組み事例が生まれています。

そこで、被災地の今を考えながら、交流を深める、連続学習・交流会を開催します。
奮ってご参加ください(参加費無料、オンライン)。

 

■第1回 学習・交流会1
1月22日(金) 18:30~20:30(定員50人)

「防災・復興政策にジェンダー視点はどこまで反映されたのか?
~東日本大震災から熊本地震等を経て新ガイドラインへ」

 

■第2回 学習・交流会2
2月20日(土) 13:30~15:30(定員50人)

「ジェンダー視点から見た東日本大震災被災地の今
~「支援者調査」の後継調査により明らかにされたこと(中間報告)」

 

■第3回 交流会
3月26日(金) 18:30~20:30(定員150人)

「ジェンダー視点で語り合おう! 防災・減災☆大交流会」

 

【開催方法】 オンライン(ZOOMを使用します)

 

【申し込み方法】
以下の申し込みフォームのURLをクリックするか、QRコードを読み取り、必要事項をご記入後、送信して下さい。
お申込みいただいた方に、参加方法をお知らせします。

《申込みフォーム》

QR_468970

 

【お問い合わせ先】
主催側へお問い合わせがある場合は以下のフォームからお願いします。

問い合わせフォーム

 

<プログラム>

【第1回】学習・交流会1 1月22日(金) 18:30~20:30
防災・復興政策にジェンダー視点はどこまで反映されたのか?
    ~東日本大震災から熊本地震等を経て新ガイドラインへ

話題提供:浅野幸子・池田恵子

《概要》
東日本大震災を受けて、男女共同参画の視点の防災・復興の取り組み指針(旧ガイドライン)が策定されるなど、防災政策におけるジェンダー視点の導入が大きく進みましたが、自治体による取り組み格差も生まれているようです。

そして、熊本地震における大規模調査で、現実の災害対応の場面では、いまだにジェンダー視点が十分に浸透しているとはいえない実態も明らかになったことなども踏まえ、2020年5月に新ガイドラインが策定されましたが、第1回の学習・交流会では、こうした経緯と課題について共有したうえで、どうすれば防災・復興政策にジェンダー視点を定着させていくことができるのかについて、ご一緒に考える機会にしたいと思います。

 

【第2回】学習・交流会2 2月20日(土) 13:30~14:30
ジェンダー視点から見た東日本大震災被災地の今
    ~「支援者調査」の後継調査により明らかにされたこと(中間報告)

話題提供:池田恵子・浅野幸子

《概要》
当センターの前身母体である東日本大震災女性支援ネットワークは、東日本大震災後に「東日本大震災における支援活動経験に関する調査」(支援者調査)を実施しました。

男女共同参画や多様性に配慮した災害対応の具体的な施策がほぼ皆無だった当時、女性たちの最も近くで支援に当たられた皆様の活動の様子や課題を記録・整理して支援活動や政策の改善につなげてきました。

2019年9月以降、「支援者調査」の後継調査を順次実施しています。ご協力いただいた皆様のその後のご活動や復興の状況をどう見ておられるかについてお話をお伺いしています。

第2回の学習・交流会では、その中間報告として、東日本大震災被災地の今をご一緒に考えてみたいと思います。

 

【第3回】交流会 3月26日(金) 18:30~20:30
ジェンダー視点で語り合おう! 防災・減災 大交流会

《概要》

防災・減災の取り組み事例を共有させていただきながら、交流を深める予定です。

「防災基本計画」(令和2年5月修正版)における男女共同参画・多様性に関する部分を抜粋しました

2020年5月に、内閣府男女共同参画局が「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」を公表しましたが、同時期に、国の「防災基本計画」も修正されました。「防災基本計画」全国の自治体の防災計画(地域防災計画)の内容に大きく影響しますが、ガイドラインで強化された記述も反映されているようです。

そこで、従来から記載されているものも含めて、あらためて国の「防災基本計画」における男女共同参画関連の記述を抜粋しましたので、参考としていただければと思います。

防災基本計画に関するウェブサイト

 

(文責:減災と男女共同参画 研修推進センター 共同代表 浅野幸子)

*  *  *

「防災基本計画」(令和2年5月修正版)における
男女共同参画・多様性に関する部分の抜粋

 

第1編 総則

 

第2章 防災の基本理念及び施策の概要

*被災者のニーズに柔軟かつ機敏に対応するとともに,高齢者,障害者その他の特

に配慮を要する者(以下「要配慮者」という。)に配慮するなど,被災者の年齢,性別,障害の有無といった被災者の事情から生じる多様なニーズに適切に対応する

 

第3章 防災をめぐる社会構造の変化と対応

地域における生活者の多様な視点を反映した防災対策の実施により地域の防災力向上を図るため,地方防災会議の委員への任命など,防災に関する政策・方針決定過程及び防災の現場における女性や高齢者,障害者などの参画を拡大し,男女共同参画その他の多様な視点を取り入れた防災体制を確立する必要がある。

 

第2編 各災害に共通する対策編

 

第1章 災害予防

防災知識の普及,訓練を実施する際,高齢者,障害者,外国人,乳幼児,妊産婦等の要配慮者の多様なニーズに十分配慮し,地域において要配慮者を支援する体制が整備されるよう努めるとともに,被災時の男女のニーズの違い等男女双方の視点に十分配慮するよう努めるものとする。

*市町村(都道府県)は,自主防災組織の育成,強化を図り,消防団とこれらの組織との連携等を通じて地域コミュニティの防災体制の充実を図るものとする。また研修の実施等による防災リーダーの育成,多様な世代が参加できるような環境の整備等により,これらの組織の日常化,訓練の実施を促すものとし,住民は,地域の防災訓練など自発的な防災活動に参加するよう努めるものとする。その際,女性の参画の促進に努めるものとする。

国〔内閣府〕は,女性の視点による災害対応力の強化を図るため,地方公共団体において防災担当部局と男女共同参画担当部局,男女共同参画センターの連携体制が構築されるとともに,地方公共団体の災害対策本部に女性職員や男女共同参画担当職員の参加等が促進されるよう,都道府県の防災担当部局と男女共同参画担当部局に周知するものとする。

地方公共団体は,男女共同参画の視点から,男女共同参画担当部局が災害対応について庁内及び避難所等における連絡調整を行い,また,男女共同参画センターが地域における防災活動の推進拠点となるよう,平常時及び災害時における男女共同参画担当部局及び男女共同参画センターの役割について,防災担当部局と男女共同参画担当部局が連携し明確化しておくよう努めるものとする。

 

第2章 災害応急対策

国〔内閣府〕は,女性の視点による災害対応力の強化を図るため,被害状況を踏まえ,必要に応じ,職員を現地に派遣し,地方公共団体の災害対策本部に男女共同参画担当部局等が組み込まれるよう,必要な支援・助言を実施するものとする。

市町村は,指定避難所の運営における女性の参画を推進するとともに,男女のニーズの違い等男女双方の視点等に配慮するものとする。特に,女性専用の物干し場,更衣室,授乳室の設置や生理用品・女性用下着の女性による配布,巡回警備や防犯ブザーの配布等による指定避難所における安全性の確保など,女性や子育て家庭のニーズに配慮した指定避難所の運営管理に努めるものとする。

*市町村(都道府県)は,各応急仮設住宅の適切な運営管理を行うものとする。この

際,応急仮設住宅における安心・安全の確保,孤独死や引きこもりなどを防止するための心のケア,入居者によるコミュニティの形成及び運営に努めるとともに,女性の参画を推進し,女性を始めとする生活者の意見を反映できるよう配慮するものとする。また,必要に応じて,応急仮設住宅における家庭動物の受入れに配慮するものとする。

*首都圏を始めとする大都市圏において,公共交通機関が運行を停止し(火山災害における降灰の影響を含む。),自力で帰宅することが困難な帰宅困難者が大量に発生する場合には,国〔内閣府,国土交通省等〕及び地方公共団体は,「むやみに移動を開始しない」という基本原則の広報等により,一斉帰宅の抑制を図るとともに,必要に応じて,一時滞在施設の確保等の支援を行うとともに,一時滞在施設の確保に当たっては,男女のニーズの違いや,要配慮者の多様なニーズに配慮した一時滞在施設の運営に努めるものとする。

被災者の生活の維持のため必要な食料,飲料水,燃料,毛布等の生活必需品等を効率的に調達・確保し,ニーズに応じて供給・分配を行えるよう,関係機関は,その備蓄する物資・資機材の供給や物資の調達・輸送に関し,物資調達・輸送調整等支援システムを活用し情報共有を図り,相互に協力するよう努めるとともに,以下に掲げる方針のとおり活動する。なお,被災地で求められる物資は,時間の経過とともに変化することを踏まえ,時宜を得た物資の調達に留意するものとする。また,夏季には扇風機等,冬季には暖房器具,燃料等も含めるなど被災地の実情を考慮するとともに,要配慮者等のニーズや,男女のニーズの違いに配慮するものとする。

 

第3章 災害復旧・復興

被災地の復旧・復興に当たっては,男女共同参画の観点から,復旧・復興のあらゆる場・組織に女性の参画を促進するものとする。併せて,障害者,高齢者等の要配慮者の参画を促進するものとする。

*地方公共団体は,再度災害防止とより快適な都市環境を目指し,住民の安全と環境保全等にも配慮した防災まちづくりを実施するものとする。その際,まちづくりは現在の住民のみならず将来の住民のためのものという理念のもとに,計画作成段階で都市のあるべき姿を明確にし,将来に悔いのないまちづくりを目指すこととし,住民の理解を求めるよう努めるものとする。併せて,障害者,高齢者,女性等の意見が反映されるよう,環境整備に努めるものとする。

*国及び地方公共団体は,被災地の復興計画の作成に際しては,地域のコミュニティが被災者の心の健康の維持を含め,被災地の物心両面にわたる復興に大きな役割を果たすことにかんがみ,その維持・回復や再構築に十分に配慮するものとする。併せて,障害者,高齢者,女性等の意見が反映されるよう,環境整備に努めるものとする。

 

(以上)

「男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン」(新指針)の概要と特徴

2020年5月、内閣府男女共同参画局が旧指針を改定する形で、「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」を策定しました。

何が強調され、どのような項目が新たに加わったのかについて、ガイドライン検討会の座長を務めた、当センター共同代表の浅野幸子が解説します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

日本の防災政策に、男女共同参画の視点が初めて入ったのは、2005年ですが、国際動向と2004年新潟県の発生を受けたものであり、全国の自治体における取組はあまり進みませんでした。しかし、2011年の東日本大震災では、女性たちや要配慮者の方たちの困難が顕在化し、社会的に共有されたことから、2013年に「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」(旧指針)が策定されました。

この旧指針策定の検討会には、阪神・淡路大震災、新潟中越地震での対応経験を持つ委員も参加し(筆者もそのうちの一人)、議論に議論を重ねることで、多角的な視点が盛り込まれました。そして、政府の方針がしっかりと提示されたことから、男女共同参画に関心を持つ人だけでなく、徐々に防災関係者にもその重要性が認識されるようになり、国の「避難所運営ガイドライン」(平成28年)や、自治体の防災基本計画や避難所運営マニュアルにも反映されてきました。

しかし、その後も災害が多発している上、自治体の防災部局と男女共同参画部局や男女共同参画センターの間の連携が不十分な状況ということもあり、旧指針の改訂版として「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」が新たに策定されました。検討会委員の豊富な知見と、自治体や市民団体のみなさまのご協力によるアリングを踏まえたもので、多数の事例と参考文献が盛り込まれ、現場で使えるチェックシート類も種類を増やすなど、実践性の高い内容となっています。レイアウトも工夫し、ページ数も抑えているため、読みやすくなっていますのでぜひお目通し下さい。

なお、策定にあたりましては、被災地を含む全国のみなさまにヒアリング・情報提供のご協力をいただきました。またパブリックコメントにも多数のご意見を賜りました。多くみなさまのお力添えに改めて感謝申し上げます。

 

saigaitaisaku201008

 

その具体的な内容ですが、全体は3部構成となっており、第1部は旧指針をそのまま引き継いだ「7つの基本方針」、第2部は具体的な取り組みを示した「段階ごとに取り組むべき事項」、第3部は被災現場でも即役立つチェックシートなどが入った「便利帳」です。

第1部では、1.平時からの男女共同参画の推進が防災・復興の基礎となる、と掲げられていますが、災害が起こってから急に状況を改善しようとしても、体制や情報の面で不十分であれば対応が難しくなります。

また、7. 要配慮者への対応においても女性のニーズに配慮する、とありますが、これは高齢者・障害者・乳幼児などの要配慮者の支援において、そのケア者のニーズに十分配慮する必要があるということを強調しています。ケア役割が女性に偏っていること自体の問題もありますが、現状では、家庭でも施設等でも担い手は女性が圧倒的に多いため、防災・応急対応・復興のあらゆるフェーズで女性のニーズを丁寧にくみ取ること、女性の意思決定の場への参画が実現しなければ、要配慮者にも十分な支援がいきわたらないということになるのです。

その他も重要な項目ですので、本文に目をお通し下さい。

 

7policy

 

次に、第2部の内容を示した図をご覧ください。赤字は、新版での新たに立てられた項目で、下線部は旧指針に盛り込まれていた内容を、独立した項目として整理し直したものです。

 

part2

平常時の備えについては、3.地域防災計画の作成・修正において、地域防災計画における男女共同参画部局・男女共同参画センターの役割が明記されましたが、これは各種の調査により、両部門間連携の強弱によって、被災者支援に関わる整備状況に差が出ていることが明になったという背景があります。

また、災害が発生した場合に自治体間で応援職員を派遣することが増えているものの、女性の派遣が限定的であることから、5.応援・受援体制における女性職員の積極的な派遣と受け入れが加えられました。8.災害に強いまちづくりへの女性の参画9.様々な場面で災害に対応する女性の発掘10.女性団体を始めとする市民団体等との連携も、豊富な事例とともに、女性たちのリーダーシップの発揮が、いかに防災対策の質の向上に直結するかがご理解いただけるでしょう。なお、近年は水害の被害が多発していること、要配慮者をケアしている世帯の避難は一層困難が予測されることなどから、12.マイ・タイムラインの活用促進、として事前に避難のあり方を検討するツールも紹介しています。13.男女別データの収集・分析については、便利帳に男女別統計チェックシートを用意し、より具体的な取り組みにつながるようにしました。

また、災害発生後の初動段階では、15.災害対策本部において、災害対策本部の中で男女共同参画担当部局や男女共同参画センターの職員の意志が反映される体制づくりを求めています。18.女性に対する暴力の防止・安全確保も取り組みが不充分のため改めて強調されました。

避難生活では課題が多岐にわたりますが、21.要配慮者支援における女性のニーズへの対応22.在宅避難・車中泊避難対策23.災害関連死の予防については、基本方針で触れたように、要配慮者は災害後にてきせつな支援が行われないと、心身の健康面の困難から命の問題に直結する場合もあること、避難所以外で生活する人も少なくないことや、避難所以外での避難生活の困難さは家族ケア上の大変な困難を強いることになるため、独立した項目として配慮を求めたものです。

25.保健衛生・栄養管理では、これまで見落とされがちだった栄養支援についても言及し、やはり後回しにされがちな妊産婦・母子支援への目配りも求めました。また、乳幼児栄養支援のための国際基準の内容を反映し、便利帳に掲載した授乳アセスメントシートを活用した授乳支援を促しています。具体的には、避難所では、早い段階で女性専用、家族専用、母子専用、介護・介助スペースへ移動させて、栄養の確保と健康維持のための配慮を行う必要があること、医療、保健、福祉等の専門家と連携し、個々の状況に応じた対応を行う必要があること、乳児に対しては、母乳・ミルク・混合のいずれでも、平常時と同じ形での授乳が継続できるよう支援が求められること、粉ミルクや液体ミルクを使用する際でも、平常時の状況や本人の希望について聞き取り(アセスメント)を行い、衛生的な環境で提供することができるよう、必要な機材や情報をセットで提供する必要があるとしています。たとえば、粉ミルクだけあっても、お湯や燃料がなければ困りますし、液体ミルクの場合でも赤ちゃんが飲めるように清潔な容器が必要です(災害時は哺乳瓶の洗浄が難しいことも多いので、紙コップでの授乳も選択肢として考えらえます)。また、授乳に悩んだ時の相談先や、ミルクの保管方法、授乳の際の注意点などの情報も併せて提供する必要があります。便利帳にはアセスメントシートだけでなくそうしたお役立ち情報も掲載されています。

27.子供や若年女性への支援も新たな項目として入りました。災害が起きると、保護者や大人たちは災害対応に追われ、子供や若年層に注意を向けるのが難しくなる傾向にありますが。子供たちは、災害の怖い記憶や、慣れない避難生活、のびのびと遊べないこと、受験勉強が思うようにできないことなど、多様なストレスを抱えている場合もあります。また、避難所や仮設住宅等において、性暴力に巻き込まれるリスクもあります。若年女性の場合、家族に代わって家事や介護を引き受けざるを得ないケースも少なくありません。東日本大震災の被災地向けの若年女性相談の取組では、例えば、進学や就学等もあきらめなくならなくなり、進学・就職でき生き生きしている友人と自分を比較して「取り残され感」を感じ、行き場のない不安を抱えるようになるという悩みが明らかになっています。また、子どもの多様性への配慮も必要です。災害時等の子供の保護に関する国際基準によると、子供の安全を守るために、子供の年齢、性別、障害の有無・種類、リスクの特性について考慮すること、それらに関するデータを収集し対策に生かすこと、支援者についても男女のバランスを取ることが求められています。

復旧・復興期については、まだまだ全般に男女共同参画の視点が不充分な状況ですが、今回は新たに、35.生活再建のための心のケアとして、男女共同参画センターが行う相談業務の活用を促す内容が盛り込まれました。34.生活再建のための生業や就労の回復も、心の回復には重要となりますので、自治体の復興本部や関連部局との情報連携により、被災者一人ひとりに寄り添った支援が可能となることが期待されます。

以上、雑駁とはなりましたが、新旧指針の比較という観点から、新指針としてのガイドラインの特徴についてご説明しました。ぜひこの記事を参考に、本文をお読みいただければ幸いです。

 

(文責:減災と男女共同参画 研修推進センター 共同代表 浅野幸子)

新型コロナウィルス感染症に関する情報

新型コロナウィルス感染症に関しまして、市民のみなさまへにご覧いただきたい情報を減災と男女共同参画 研修推進センターとして選んでまとめました。(2020年7月2日 更新)

目次をクリックいただきますと、該当情報が掲載された箇所に飛びます。

基本の予防・ケア、災害時の対応、そしてジェンダー・多様性・人権の視点(人権の視点)からまとめました。

他にも多くの情報がありますが、代表的でわかりやすいもの、ぜひご覧いただきたいものを選んでおりますので、ご了承ください。

なお、新型コロナウィルス感染症に関する基本的な情報は、以下の厚労省の特設ページをご覧ください。

厚生労働省 新型コロナウィルス感染症について

<目次> (見出しをクリックすると該当箇所に飛びます)

【1.家庭や職場などにおける予防&看護】
1-1.家庭や職場での感染予防とケア
1-2.多言語による情報
1-3.その他の関連情報

【2.複合災害(新型コロナウィルス×他の自然災害)】
2-1.個人の備え(避難行動&避難生活)
2-2.避難所の運営
2-3.在宅避難者・車中泊避難者支援
2-4.その他の関連情報

【3.ジェンダー・多様性に関する問題(人権の視点)】
3-1.ジェンダー[ジェンダー(全般)] [子ども] [暴力]
3-2.障害者
3-3.LGBT
3-4.外国人
3-5.人権全般

【4.生活支援情報】

【5.海外情報】

 

ー ー * ー ー * ー ー * ー ー * ー

【1.家庭や職場などにおける予防&看護】

タイトル1-1.家庭における感染予防と看護

 

国民の皆様へ(予防・相談)(厚生労働省 新型コロナウィルス感染症についてのページより)

 

新型コロナウイルス感染症 ~市民向け感染予防ハンドブック」第2版
(日本語版) (東北医科薬科大学病院)

 

「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント(厚生労働省)

 

代替消毒物資の新型コロナウイルスに対する有効性評価の結果
(国の専門機関(NITE)が経済産業省の要請を受けて、消毒物質の代替になる製品を、有効性評価を行った上で、一覧として公表しています)

 

1-2.多言語による情報

新型(しんがた)コロナウイルスについて<やさしいにほんご>
(一般社団法人 自治体国際化協会)

 

新型コロナウイルス感染症 ~市民向け感染予防ハンドブック」第2版 多言語版
<英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語・ベトナム語・モンゴル語>
(東北医科薬科大学病院)

 

1-3.その他の関連情報

人道支援における基準を COVID-19 に対峙するために活用する
(こころのかまえ研究所)

※個人、地域、そして人道支援者はどのようにこの 新型コロナウイルス:COVID19 に対して、最善を尽くせるのか。人道支援の国際基準(スフィア基準等)の活用についての資料

 

新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~
(日本赤十字社)

 

減災ケアラボ(高知県立大学災害看護グローバルリーダー養成プログラム)

 

【2.複合災害(新型コロナウィルス×他の自然災害)】

2-1.複合災害>個人の備え

新型コロナウィルス感染流行下においても、災害時に避難の必要があれば、避難行動をとるようにしてください。感染リスクの恐れがあるので、三密を避けての在宅避難(自宅や親族・知人宅など)が望ましいです。

避難所に行く必要がある場合は、できるだけ体温計、消毒薬、手洗い用の石鹸などを持っていってください。
また、自治体が、避難所所を増やしているケースもありますので、ウェブサイトなどで確認してください。車中泊の場合は、エコノミークラス症候群に気を付けて過ごしてください。

 

避難行動、知っておくべき5つのポイント(内閣府・消防庁)

ぜひ、1ページ目だけでなく、2ページ目もご覧ください。避難の判断のフロー図が参考に記載されております。
なお、判断の基準として示されている警戒レベルについては、こちらの政府広報にわかりやすく示されておりますので参考とされてください。

 

コロナ禍でもすぐできる!大雨&台風への備え2020年版(FUKKO DESIGN)

 

新型コロナウイルス感染症まん延期における避難について(さいたま市)

在宅避難を前提としていただくよう呼びかけつつ、非常持ち出し品に加えていただきたいもの、なども詳しく紹介しており、わかりやすい。

 

新型コロナウイルス感染拡大における車中泊の危険性について(避難所・避難生活学会)

 

2-2.避難所の運営

新型コロナウィルス感染症を踏まえた災害対応のポイント(第1版)(内閣府防災担当)

 

避難所における新型コロナウイルス感染症への対応の参考資料(第2版)(内閣府防災担当)

 

新型コロナウィルス 避難生活お役立ちサポートブック(第2版)
全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)

※情報は随時更新されますので、こちらのJVOADのガイドラインのページもご確認ください。

災害時における避難所での感染症対策(厚生労働省)

 

2-3.在宅避難者・車中泊避難者支援

災害時の「住まい確保」等に関する行政評価・監視-被災者の生活再建支援の視点から-結果報告書

※避難生活期の避難所外避難者(在宅避難など)の支援のあり方、復旧・復興期の在宅避難者の支援のあり方について、自治体の取り組み事例ととともに提起されています。

 

2-4.その他の関連情報(主に情報がまとまったページのご紹介)

避難所における新型コロナウイルス感染症対策関連情報:防災情報のページ(内閣府防災担当)

 

被災者支援:防災情報のページ (内閣府防災担当)

※新型コロナウィルス感染症は直接触れていないが、避難所運営ガイドライン等の情報

 

災害対応力を強化する女性の視点 ~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~
(内閣府男女共同参画局)

 

「水害にあったときに」~浸水被害からの生活再建の手引き~

上記で紹介されている、わかりやすい簡易版のチラシは
こちらからも直接ダウンロードできます(4ページ)

 

【3.ジェンダー・多様性に関する問題】

3-1.ジェンダー(暴力・女性・子ども・ひとり親家庭など)

[ジェンダー(全般)]

新型コロナウィルス感染症対策の基本的対処方針関連
(内閣府男女共同参画局)

※男女共同参画局による関連情報のまとめページ。DV相談情報や、国際機関による発表、報告書、各国の取組等もまとまっています。

 

コロナとジェンダーに関する国際動向(アジア女性資料センター)

※国連の情報・ガイドライン/フェミニスト団体の声明、グローバルな支援と人道支援とジェンダー影響/日本の動き/アジア地域における女性への影響) 特集ページ

 

コロナとジェンダー」特集記事
(ウィメンズアクションネットワーク(WAN))

 

ガイダンスノート「ジェンダー視点に立ったCOVID-19対策の推進」(JICA)

 

政府の新型コロナウィルス対策に対する女性たちからの要請
(新型コロナウィルス禍とジェンダー平等)

 

新型コロナウイルス感染拡大下における障害女性の権利と生活の維持に関わる要望書
(DPI女性障害者ネットワーク)

 

新型コロナウィルス対策状況下における DV・児童虐待防止に関する要望書
(全国シェルターネット)

 

COVID-19とジェンダー: 分断と差別ではなく権利と連帯にもとづく対応を
(アジア女性資料センター)

 

今こそ見直そう!性別による固定的な役割分担意識(新型コロナウィルス対策@パレアチャンネル2)
男女共同参画センターくまもと県民交流館パレア

 

[子ども]

ひとりじゃないよプロジェクト 女性・子ども支援団体一覧
(新型コロナの影響に対する活動)

 

子どもの貧困に関わる新型コロナウイルス感染拡大への対策の要望
(しんぐるまざあず・ふぉーらむ/あすのば/キッズドア)

 

ひとり親家庭への新型コロナウィルス(COVID-19)の影響に関する調査
(しんぐるまざあず・ふぉーらむ トップページ)

※複数回のアンケート調査を実施していますので、トップページにリンクしました

 

新型コロナウィルスの影響を受けた生活困窮世帯の子どもに関する調査報告書
(チャンス・フォー・チルドレン)

 

新型コロナウイルスの影響による生活状況アンケート(高校生対象)

新型コロナウイルスの影響による生活状況アンケート(高校生の保護者対象)
(キッズドア)

「新型コロナウイルス」で今、困っていること ~妊婦さん1,676名アンケート結果発表~
(ニンプスラボ)

 

[暴力]

DV相談 +(プラス) (内閣府男女共同参画局)

 

新型コロナウィルス対策状況下における DV・児童虐待防止に関する要望書(再掲)
(全国シェルターネット)

 

3-2.障害者

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と障害者に関する国際的情報リスト(英語)
(DPI(障害者インターナショナル)日本会議)

 

新型コロナウィルス対策における障害のある者への人権保障に関する要望
(DPI(障害者インターナショナル)日本会議)

 

新型コロナウイルス感染症に関する要望
(日本障害フォーラム)

 

新型コロナウイルス感染拡大下における障害女性の権利と生活の維持に関わる要望書(再掲)
(DPI女性障害者ネットワーク)

 

3-3.LGBT

(準備中)

 

3-4.外国人

(準備中)

 

3-5.人権全般

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する国際機関の声明及びガイドライン
(日本弁護士連合会)

 

「国に対し、新型コロナウイルスについて国際人権基準に基づく対応を求める」要望書

“JANIC、ヒューマンライツ・ナウ、移住連、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、アジア女性資料センター、 DPI(障害者インターナショナル)日本会議など10団体共同”

 

日本弁護士連合会トップページ(相談支援、声明など)

 

COVID-19 緊急提言
(一人ひとりが大事にされる災害復興法をつくる会(弁護士有志))

 

新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~(再掲)
(日本赤十字社)

 

4.生活支援情報

新型コロナウィルス感染症対策(内閣官房)

新型コロナウイルス感染症関連(経済産業省)

新型コロナ対策支援カード(弁護士永野海氏、法律と防災のページ)

新型コロナ対策カード 多言語対応版

路上脱出・生活SOSガイド(ビッグイシュー)

 

5.海外情報

(準備中)

「新型コロナウイルス 避難生活お役立ちサポートブック」(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)発行)

全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)が「新型コロナウイルス 避難生活お役立ちサポートブック」を発行しました。

新型コロナウイルス感染症の影響がある中、災害が起きた場合を想定して、まとめられたガイドラインです。
http://jvoad.jp/guideline

「発達のアンバランスさをもった子どもを支える休校期間のこころがまえ」(新型コロナウィルス対策関連資料のご紹介)

新型コロナウィルスで全国の多くの学校が休校となりましたが、発達障害を持つお子さんのいる保護者が追い込まれるケースも少なくないようです。

そうした保護者が、安全・安心・安定を得られるようにと東京女子大学の前川あさ美先生が作成された資料です。
以下からダウンロードしてください。

「発達のアンバランスさをもった子どもを支える休校期間のこころがまえ」(PDF)

[一部抜粋]
・安全を確認する
(1)以下のようなことを、子どもと一緒に調べたりして、わかりやすくまとめ、見えるところに貼ること 主体的に 取り組む安全こそ、確かな安全になります !
*安心を提供する
  (1)子どもの前で親が悲観的にならないようにすること
  (2)子どもの気持ちに耳を傾けること
  (3)子どもの誤った思い込みは修正すること
  (4)質問してくるのを面倒がらないこと
  (5)親がそばにいられない時には、安心できるものをそばにおくこと
  (6)ひとりぼっちではないこと、誰かとつながっていることを伝えること
  (7)テレビの深刻な報道に長時間さらさないこと
  (8)親がリラックスすること
*安定を尊重する
  (1)できるだけ「いつもどおり」を大切にすること
  (2)一日のスケジュールを見えるところに貼ること
  (3)バランスを意識しておくこと
  (4)自分で選択できる機会を作ること
  (5)見通しを与える
   など

「発達のアンバランスさをもった子どもを支える休校期間のこころがまえ part2」(PDF)

[一部抜粋]
・マスクが大嫌い。でも、外出する機会がある。どうしたらいい?
・温度の差や、緊張するともともと咳が出やすい。マスクも嫌がるので、人前で咳き込むことが心配。
・もともと多動傾向があるため、家の中でじっとなんてしていられません。ストレスためて自傷もはじまります。
・いまのうちに勉強の遅れをとりもどそうとしたら、自傷や自己刺激行動が増えてきました。でも、好きなことをさせ たら、必ずゲーム三昧です。どうしたら?
・休校がはじまったときは、喜んでいたけれど、そのうち、イライラすることが増えて、夜もねられなくなってきました。 私も仕事や自分のことができずにイライラ。どうしたらいいでしょう。
・子どもは感染しにくいとかっていわれているし、感染しても症状が軽いといわれるけど、おばあちゃんがいるので 感染するより、感染させることが不安で仕方ないです。
・具合が悪い時というのが、うちの子どもはわからないようです。もともと、痛みにも鈍感だし。
 など

今後も休校措置が続くか否かはわかりませんが、長期休みも同様困難を抱える傾向にあると思いますので、紹介させていただきます。

東日本大震災から10年目に入って

3月11日で、東日本大震災と福島原発事故から10年目に入りました。
減災と男女共同参画 研修推進センターは小さなグループですが、今も避難生活を送る方、生活再建の途上にある方が数多くいらっしゃることを忘れずに、あるべき防災対策・被災者支援策・復興対策について引き続き考えていきたいと思います。

ところで、2月に東京都内で開催された「311当事者ネットワーク 東京フォーラム2020」に参加させていただきました。

主催は東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故により広域避難となった当事者の方々で作っている「HIRAETH(ヒラエス)」で、「広域避難となった当事者の方々の尊厳と経験を大切に、「語れなさ」をキーワードとして、避難者同士の対話の場や必要と思う学びの場、そして311にて支援活動を行ってきた団体などとの連携事業を展開」してきたそうですが(ウェブサイトより)、今回は、広域避難となった方々の実情を多くの皆様と共に、これまでの活動を振り返り、今後の広域避難について考える機会として開催されました。

厳しい避難生活、被災者の生活実態・声が支援策になかなか反映されない現実、避難先によって異なるサポート、9年経って家族の介護が必要になるなど大きく変わる生活、精神面での浮き沈みなど、さまざまな厳しさの中で日々を過ごしてきたことが改めて浮き彫りになりました。

なお、東京電力福島第一原発事故で福島県富岡町、浪江町の帰還困難区域などから避難している人たちへの住宅の無償提供が、3月末で打ち切られるということで、再び引っ越しや家族との別居などの負担を強いられる状況にもあります。

こうした方々の置かれている状況は、膨大な広域避難者が生み出されることが予測される南海トラフ地震や首都直下地震に見舞われるであろう近未来の私たちの姿でもあるかもしれないと考え、他人事とせずに歩みたいと思います。

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