災害時の乳幼児の影響救援に関する国際基準・新版の日本語訳が公開されました

災害時の乳幼児の栄養救援には、いろいろと配慮すべき点があります。

国連関係機関やNGOなどの専門家が集まって作られた
「災害時における乳幼児の栄養~災害救援スタッフと管理者のための活動の手引き」の最新版の日本語訳が公開されました。

特に、乳幼児の授乳救援には、事前の学習が不可欠です。ぜひ参考にしてください。

『2017年度女性・地域住民から見た防災・災害 リスク削減策に関する調査』報告が公開されました

全国知事会による2008年度『女性・地域住民からみた防災施策のあり方に関する調査』から10年。
2017年度に再び、同様の質問項目で『2017年度女性・地域住民から見た防災・災害リスク削減策に関する調査』が行われました。この間、日本は、東日本大震災をはじめとして多くの大災害を経験しました。

いま、地方自治体の防災・減災対策に、ジェンダー・多様性の視点はどれほど活かされているのでしょうか。

2017年度調査は、大沢真理さん(調査当時、東京大学・教授)と、2008年の調査も企画された前千葉県知事の堂本暁子さんが中心となり、当センターの両共同代表も調査票の作成と調査結果の分析に参加しました。池田は調査報告書の本文の執筆にも、浅野は用語解説の執筆にも参加しました。

内閣府男女共同参画局と全国知事会の協力のもとに、全都道府県と全市区町村を対象に実施され、全都道府県・1171市区町村から回答を得ています。2017年の現状を把握するだけでなく、2008年度調査と比較して変化を理解し、今後の課題を探ることができます。

調査結果は、2019年2月1日(金)に、東京大学社会科学研究所第30回社研シンポジウム「2017年度自治体調査の結果から」認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(NPO法人WAN)で報告され、当センターの両共同代表も発表の時間をいただきました。

また、シンポジウム要旨と2017年度調査の分析結果は、大沢真理(編)『防災・減災と男女共同参画:2019年2月1日第30回社研シンポの要旨;「2017年度女性・地域住民から見た防災・災害リスク削減策に関する調査」報告』(社会科学研究所研究シリーズNo.66)(ダウンロード可)にまとめられています。

2008年度調査と2017年度調査を比較すると、この間、全体として大きな改善があったことがわかります。

例えば、市区町村の地方防災会議の女性委員比率は増加し、女性委員がゼロの自治体は61.5%から23.8%に減少しました。避難所運営指針を策定している自治体は26.2%から77.0%に増え、作成にあたって男女共同参画部署と連携した市区町村は1.4%から17.5%へ、都道府県は23.4%から48.9%へと増えています。

また、避難所運営指針で設置する設備として、更衣室(7.7%から53.1%へ)、授乳室(5.9%から48.2%へ)、トイレ各種(男女別、ポータブルなど)(6.8%から48.2%へ)を挙げる市区町村が大幅に増えています。備蓄物資についても、乳幼児や高齢者、女性のニーズにあった物資の備蓄が、軒並み大きく改善しています。

一方、2017年度の調査で、避難行動要支援者や要配慮者に乳幼児・妊産婦を含めていない自治体は多く、セクシュアルマイノリティを含めている自治体はごくわずか(要配慮者に含めている市区町村は10.3%のみ)でした。役員に1人も女性がいない自主防災組織の比率について無回答の市区町村が39.2%もあり、回答した712市区町村で女性役員ゼロの自主防災組織が42.0%に上りました。

興味深い点は、地域防災計画や避難所運営指針の策定で男女共同参画部署と連携し、または地方防災会議の女性委員比率が高い自治体ほど、避難所運営の指針でも備蓄物資でもジェンダー・多様性の視点が格段に反映されていることが調査結果から明確になったことです。政策決定段階での女性たちの参画がいかに重要であるかわかります。

人口規模と高齢化の進展状況も影響を与えているようです。人口規模が大きい自治体ほどジェンダー・多様性の視点による取り組み進んでいます。しかし、四国に代表されるように、人口規模にかかわらず進捗状況がよい地域もあることから、一概に人口規模の問題とは言い切れません。

高齢化率も影響していることもわかりました。高齢化が進んだ自治体でジェンダー・多様性の視点による取り組みは進んでいない傾向があります。例えば高齢者用のおむつがサイズ別に備蓄されている自治体は、高齢化率が高い自治体で少なく、高齢化率が低い自治体で多いという矛盾した実態が明らかになっています。

2008年度調査から大きく改善はあったとはいえ、まだまだこれからの部分も多くあります。今後は、ますます危機管理部署と男女共同参画部署・団体の連携を促進し、また小規模自治体・高齢化が進んだ自治体向けに施策を導入するための支援策が必要になるでしょう。また、計画や指針に記載されたことが実際に災害時に実践されるよう、運用する人々の体制が重要になってきます。

「いわてアレルギーの会」が新たな事業にチャレンジします!

次々に起こる災害の危機感から、岩手県内の食物アレルギーのお子さんを持つ親の会が集まって発足した「いわてアレルギーの会」。現在4団体の構成で活動しています。

そして今年度の重点活動として、災害時が起こった時に食物アレルギーを周囲に知ってもらうための、サインプレート作成と講演会活動に取り組もうとしています。

その資金を得るため、クラウドファンディング「Ready forレディーフォー」で寄附を募っていますので、活動経緯と取り組み計画についてご紹介いただきます。ご理解とご協力をいただければ幸いです。

【クラウドファンディングへのご協力をお願いします!】

「アレルギーサインプレートを作成し、講演会等で配布したい」
(平成30年10月15日 午後11時まで)
https://readyfor.jp/projects/17713

いわてアレルギーの会 構成団体

・盛岡アレルギーっ子サークル「ミルク」 http://allergy.morioka.co

・アレルギーケア.くじ http://allecare.jimdo.com

・アレルギーフレンズ☆おうしゅう http://ameblo.jp/friends-ooo/

・アレルメイト田野畑&岩泉

 

いわてアレルギーの会の取組み

災害弱者となりうる食物アレルギー罹患者。実際に東日本大震災の時、一般車両は通行制限がかかり被災地に入れない期間がありました。宅急便も止まりました。そうした中で、たいへん厳しい状況に追い込まれました。

食物アレルギー患者の支援団体であるわたしたち「いわてアレルギーの会」は、アレルギー患者が岩手県内どこにいても支援を得られる体制作りを念頭に、各地域に「親の会」の発足を促し、災害時などの支援体制の構築を担う団体です。平成28年9月に立ち上げて以降、医療関係者をはじめとした関連領域の専門家の協力も得ながら、県内での講演会の開催なども行ってきました。

<主な活動内容>

・災害時、アレルギーでお困りの方へアレルギー対応物資をお届けします

・アレルギーでお悩みの方へ各地域の親の会をご紹介します

・地域全体で足並みを揃えアレルギーっ子をケアしていく体制を整えて行きます

 

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主催事業「食の提供者のための食物アレルギーセミナー」の様子
平成29年11月26日(日)(久慈市アンバーホールにて)

 

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主催事業 「食物アレルギー講演会」の様子
平成29年9月24日(日) (もりおかこども病院にて)

 

また、『岩手アレルギー支援情報』 LINE@を開設しており、いざという時に支援を受けたい方たちに登録を促すとともに(現在の登録者数:233名)、協力企業もつのっています。

また、このLINEを通して、行政等から災害時の避難情報が出るたびに、「お困りではありませんか?」、と呼びかけを行っていますが、同時に、毎年3.11には、備蓄を促すコメントをお伝えしています。

こうした取り組みを踏まえ、今年度は食物アレルギーがあることを周りに知らせるための「食物アレルギーサインプレート」の作成と、その普及および食物アレルギーの知識向上のため県内5ヶ所で講演会の開催を目指しています。

なお、この度のプロジェクトはクラウドファンディングが成立することで行うことができますので、可能でしたらそちらも応援いただけますとなおありがたく存じます。

 

★クラウドファンディングご協力のお願い

レディーフォー「アレルギーサインプレートを作成し、講演会等で配布したい」

(平成30年10月15日 午後11時まで)
https://readyfor.jp/projects/17713

これからもアレルギーっ子が安心して生活できるよう活動していきます。ご理解とご協力をよろしくお願いします。

 

【クラウドファンディングで目指す活動】

■食物アレルギー表示カードの作成をめざします

以下の4点を1000セット用意し、未就学児や児童をはじめとする食物アレルギー罹患者へ配布します。配布方法については講演会開催時に、また現在、岩手県、岩手県教育委員会、各自治体と相談させていただいています。

 

①サインプレート

平常時から携帯するアレルゲンの表示カードで、裏面には個人情報を記載します。

②災害時サインプレートシール

サインプレートと同じデザインのシールで、災害時避難袋に入れておき、避難所で衣服などに貼って使います。

③サインキーホルダー(バッジ)

アレルギーを示すマークのキーホルダーで、安全ピンを付けるとバッジになります。

④緊急時カード

具合が悪くなった際、どのように対応するか、簡潔に記すカ―ドです。

 

サインプレートの見本(表)
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サインプレートの見本(裏)
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■講演会開催をめざします(全5カ所)

「正しい知識があれば食物アレルギーは怖くない」と題し、第一部は岩手県各地で食物アレルギー児の治療されている小児科医から食物アレルギーの最新情報と、第二部は小児アレルギーエデュケーターからヒヤリハットなど注意すべき点を専門家の立場からご講話いただきます(講師は医師と管理栄養士にお願いしています)。

*11月11日(日)13:30~15:30 宮古市シートピアなあど研修ホール

*2月3日(日) 13:30~15:30  久慈市(会場未定)

*2月17日(日) 13:30~15:30 盛岡市(会場未定)

*2月24日(日) 13:30~15:30 北上市(会場未定)

*3月2日(土) 13:30~15:30  奥州市(会場未定)

(以上)

仙台防災フォーラム・防災ダボス会議のセッション報告書公開 ~男女共同参画と災害・復興ネットワークからのお知らせ

女性の視点/男女共同参画の視点からの防災・復興に取り組む「男女共同参画と災害・復興ネットワーク」(JWNDRR)には、当センターも立ち上げ当初から参加させていただいていますが、昨年の秋、11月26日に仙台で開催された仙台防災フォーラム・防災ダボス会議で、「世界と日本における災害レジリエンスを高める合意形成プロセス~多様性とジェンダー視点から~」をというセッションを開催!

その報告書が完成したとのご連絡がまいりました!
ウェブ上で公開されていますので、ご紹介させていただきます。

●男女共同参画と災害・復興ネットワーク
WBFセッション報告書「世界と日本における災害レジリエンスを高める合意形成プロセス~多様性とジェンダーの視点から~」(PDF)

http://jwndrr.org/allnews/report/1389/

熊本地震を経験した「育児中の女性」へのアンケート調査報告書完成 ~熊本市男女共同参画センター はあもにい

熊本地震で直後から精力的な支援を行った熊本市男女共同参画センターはあもにい。

そのはあいもにいさんが、熊本地震を経験した「育児中の女性」へのアンケート調査を実施、報告書をまとめられましたのでご紹介させていただきます。

切実な女性たちの声を無駄にしないよう、広く共有していただければ幸いです。

 

●報告書完成のお知らせ記事
http://harmony-mimoza.org/staff_blog/2018/04/post-247.html

●報告書ダウンロード先
http://harmony-mimoza.org/aboutus/report/docs/jishin_ikuji_report.pdf

「男女共同参画の視点による平成28年熊本地震対応状況調査 報告書」が公開されました!

4月下旬、内閣府男女共同参画局による「男女共同参画の視点による平成28年熊本地震対応状況調査報告書」が、ウェブ上で全編公開されました。

●内閣府男女共同参画局:男女共同参画の視点による平成28年熊本地震対応状況調査
http://www.gender.go.jp/research/kenkyu/kumamoto_h28_research.html

熊本地震で被災した自治体約40、応援自治体約860に加えまして、50もの民間の支援団体からの回答結果と、15か所での直接ヒアリングの結果を分析した上で、今後の災害対応に関して7つの提起が行われています。

ページ数は多いのですが、

Ⅲ.調査報告 (調査結果概要、課題と取組の方向性、今後の災害対応に向けた提言
(1)男女共同参画の視点からの災害対応の必要性
(2)提言~今後の災害対応に向けて~)

だけであれば、比較的短時間で読むことができるかと思います。
ぜひ各所でご覧いただき、災害対策に活かしていただければと思います。

(文責:浅野幸子)

新しい避難所ガイドラインができました(内閣府防災担当)

避難所は、災害で家を失ったり一時的に住むことができなくなった被災者を収容・保護し、避難生活を支えるためのものですが、現実には衛生、栄養、プライバシー、育児、介護などの生活にかかわる諸課題が十分手当されないことにより、複合的な環境悪化が被災者を追いつめる傾向にあります。
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熊本の被災地のとある避難所の様子

こうしたさまざまな問題を踏まえて平成 25 年6月、「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」も策定されました。

さらに平成28年4月に新たに「避難所運営ガイドライン」が発表されましたが、これは「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」、「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」とセットで作成されています。全て内閣府防災担当「避難所の生活環境対策」のページよりダウンロード可能なので詳しくはこちらをご覧ください。

この「避難所運営ガイドライン」のポイントを下記に示しましたが、全体を通しての特徴もいくつかあります。
今回のガイドラインは、避難所の質を着実に確保できるようにするため、WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)という形で、必要な対策を実現させていくための手順が細かく示されている点や、縦割り行政を超えて、横断的に連携しながら避難所の開設・運営を支えていくための体制も示されている点(p7)です。国際的な人道支援の基準についても紹介されており、個別の対策にもその内容が反映されています。「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」には、国際的な諸基準をもとに、適切なトイレ配置のための計算シートも作成されました。

ちなみに当センター共同代表の浅野も、このガイドラインの作成に委員として関わらせていただきましたが、女性の避難所運営への参画・リーダーシップの促進がかなりしっかり書き込まれたことと、(災害対策基本法でいうところの要配慮者とは別に)女性と子どもも配慮対象としても示されました。すばらしい委員のみなさま方のご理解のもとで、この両方が同時に実現したことに意義を感じています。

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熊本地震のとある避難所に設置された子どもの遊び場スペース

なお、災害時にはイレギュラーなことがさまざまに発生します。
例えば、熊本地震では余震が続く中、避難施設が足りずに車中避難を余儀なくされる人たちがたくさん出ました。民間支援でテント村が作られたり、トレーラーハウスを活用した障害者や妊婦用の避難施設が設置されたところもありますが、今後もさまざまな避難形態が出現することを前提に、柔軟な支援体制を取ることができるようにする必要があります。

いずれにしても、実際の災害時でも機能する避難所目指すならば、マニュアルを作成するだけでなく、運営に携わるだろう関係者に内容が事前にマニュアルの内容が認識され、一定の学習・訓練が行われていることが重要です。行政内の横断連携による避難所の支援体制づくり、行政職員および施設関係者への研修、地域住民の参加促進と学習・訓練の機会づくり、専門職やボランティア等との連携などが求められています。

 

「避難所運営ガイドライン」抜粋

Ⅰ 運営体制の確立(平時)

1.避難所運営体制の確立
行政による避難所支援の話し合いには、必要に応じてNPO・ボランティア等の参画を呼び掛ける、各避難所に避難者の代表・施設管理者・避難所派遣職員等からなる避難所運営委員会(仮称)を設置して運営体制を確立する、その際、女性がリーダーシップを発揮しやすい体制を作る、必要に応じてNPO・ボランティア等の代表の参画の呼びかけをするなど。

2.避難所の指定
福祉避難所/スペース(一般の避難所の中に設ける要配慮者用の空間)を確保する、母子(妊産婦・乳幼児専用)避難所/スペースを確保する、避難所には障害者・外国人向けの案内掲示等を確保するなど。

3.初動の具体的な事前想定
避難所マニュアルを作成する際に、地域住民代表・要配慮者等の多様な意見を取り入れ作成する、避難所の運営において女性の能力や意見を生かせる場を確保する、トイレの設置・運用訓練・使用ルール決めをする、手洗い用水を確保するなど。

4.受援体制の確立
外部からの支援を受け入れやすくするために、平時から行政職員、ボランティア・NPO、保健・福祉関係者、医療従事者、警察などと住民が連携しあう形で備える。その際、女性の視点を取り入れることでより具体的な意見の反映が期待できる。

5.帰宅困難者・在宅避難者
在宅避難者の安否確認方法・対応方針を検討する、在宅避難者のニーズ把握・生活支援方法を具体的に確立するなど。

Ⅱ避難所の運営(発災後)

9.トイレの確保・管理
「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」を参考に計画を作成する、被災者の数に対して適切なトイレの数を確保する(国際基準も参考にした計算シート付き)、トイレの設置に際しては女性や要配慮者に意見を求める、高齢者・障害者用トイレの同線の安全性を確保する、防犯対策としてトイレの中と外に照明を確保し、鍵・防犯ブザーを設置する、手すりの設置・段差の解消をする、子ども用のトイレ(便座)を確保する、感染症患者が出た時の専用トイレを確保する、装具交換やおむつ交換のたえの折り畳み台を設置する、人工肛門・膀胱保有者のための装具交換設備とスペースの設置を検討する、など。

11.避難者の健康管理
「避難生活を過ごす方々の健康管理に関するガイドライン」(厚生労働省)を踏まえ、健康管理体制の確立、感染症対策、その他の病気(食中毒・生活不活発病・持病の悪化・エコノミークラス症候群・熱中症など)の対策、暑さ・寒さ対策を行うなど。

12.寝床の改善
健康維持にとって重要なため、寝床を整備できるよう資材を確保すること(寝具・間仕切り等の調達)、段ボールベット等簡易ベッドの設置を検討することなど。

Ⅲニーズへの対応

15.配慮が必要な方への対応
高齢者・障害者・妊産婦・乳幼児・難病・外国人等の要配慮者の支援のため、避難環境についての当事者からの聞き取り、段差の解消等の環境整備、避難者同士の見守り体制の確保、福祉避難所への移動の方法、在宅避難している要配慮者の支援ニーズの把握など。

16.女性・子どもへの配慮
女性・妊産婦に必要な物資・環境を確保する、女性用更衣室・授乳室の設置、母子避難スペース・キッズスペースの設置を検討する、性別配慮について意見が反映できる環境を確保する、家庭的ニーズの絶曲的掘り起しをする、安心して話ができる女性だけの場を検討するなど。

17.防犯対策
避難者同士の見守り体制の確保、仮設トイレ等の防犯対策、地域の防犯見守り体制の確保など。
18.ペットへの対応
ペット同伴避難のルールおよびペット滞在ルールを確認する、ペット滞在場所の設置を検討するなど。

釜石市「避難所運営担当職員用マニュアル改定のための提言ワークショップ」続報

3月のメールマガジンでご紹介した、釜石市の「避難所運営担当職員用マニュアル改定のための提言ワークショップ」の続報です。

釜石市とカリタス釜石の共催により、防災士や民生児童委員、復興住宅自治会、女性消防団、一般の住民男女からなる「男女(みんな)で地域防災について考える会」のみなさんが、避難所運営のマニュアル改定のための提言をとりまとめられ、当センターがそのお手伝いをさせていただいたものです。これに対する、市長さんと担当部局からの回答をご紹介したいと思います。

回答の基本的考え方は「住民男女が男女共同参画の視点からマニュアルを見直した貴重な提言で、『男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針』(内閣府男女共同参画局、平成25年5月)にも示されている内容であることから、多様性配慮の視点に立って、提言内容の実現に努力する」とのことです。住民による提言であることが尊重され、そして後ろ盾となる政府の方針の存在が大きな意味を持ったのではないでしょうか。

具体的には、
①東日本大震災で実際に避難所運営に従事した女性職員を中心に今後の災害対応のあり方に関する検討会議を開催し、具体的な意見をマニュアル改定に反映する、
②地域が主体となった避難所運営等地域防災力の向上のために、町内会や防災士等を中心に幅広く協議や訓練等の取組みを実施する、
③住民一人ひとりの防災意識と行動力の向上に努めると共に各関係機関、企業等との連携を深め、全市が一体となった災害対応体制が構築できるように取り組むことです(復興釜石新聞4月30日)。

避難所運営や備蓄物資、女性と子どもの安全対策などに関する個別の提言内容に対しても、細かな回答が作成されました。「男女(みんな)で地域防災について考える会」のみなさんは、提言が受け入れられた部分が多いと、手ごたえを感じておられます。男女共同参画・多様性配慮の視点を組み込んだ防災体制への道のりは長いですが、すばらしい第一歩ですね。

今後は、示された基本的考え方がしっかり今後の活動に反映されるよう、また個別の提言に関する回答が具体的に実践されるよう、住民の皆さんと自治体行政の皆さんの力あわせを、当センターも応援し続けたいと思います。

(文責:池田恵子)

釜石市「避難所運営担当職員用マニュアル改定のための提言ワークショップ」

釜石市で、地域の防災体制に男女共同参画の視点を導入するきっかけとして、誰もが安心して過ごせる避難所について考えるワークショップが行われました。現在使われている避難所運営担当職員用マニュアルを検討し、住民が活用する避難所運営マニュアルを策定するための提言を行うことを目的に、3月5日に行われました。釜石市とカリタス釜石の共催により、防災士や民生児童委員、復興住宅自治会、女性消防団、一般の住民男女のみなさんが参加しました。

ワークショップでは、まず、東日本大震災当時の避難生活の状況を振り返り、避難所運営に必要な男女共同参画・多様性の視点からの組織体制、作業、スペース活用などについて話し合いました。プライバシーの欠如や、避難所での子育ての困難、女性が要望を声に出せない辛さなどの課題に対して、市民の立場から、可能な対策の提案がなされました。当センターは、ワークショップの企画全般と、提言とりまとめのお手伝いをさせていただき、当日のワークショップのファシリテーションは、釜石市の職員の皆さんやカリタス釜石の皆さんが実施されました。

ワークショップに参加した人々が、「男女(みんな)の視点で地域防災を考える会」として、「釜石市避難所運営担当職員避難所運営マニュアル改定に関する提言」をとりまとめ、3月10日に危機管理担当部署の責任者や市長に対して提言を伝えました。
 釜石市に限らず、多くの中小規模の被災自治体では、女性センターもなく、男女共同参画担当部署はそれ以外の業務との兼務であり、人員配置も非常に少ないです。このような状況の中、この提言ワークショップを実施された、釜石市総務企画部総合政策課統計係兼男女共同参画室とカリタス釜石のみなさん、そして「男女(みんな)の視点で地域防災を考える会」のみなさんには、こころから敬意を表したいと思います。

5回目の3月11日を経て…

東日本大震災から丸5年。被災者のみなさまには、それぞれに言葉に尽くせない大変な日々を過ごされてきたことでしょう。いまだ約20万人の方々が避難生活を余儀なくされていますが、とりわけ、住む場所や、経済的な立て直しの面で目途がつかない方々の心細さを思うと、もどかしくてなりません。

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津波被災地の復興はまだ道半ば

今月は、復興に関するさまざまな報道・情報がメディアやネットをにぎわせました。報道や統計に表れることがなくとも、ご家族や親しい方を亡くされた方、避難生活で心身にダメージを受けるような経験をされた方など、心に大きな痛みを抱えながらも、一歩一歩前に進もうと日々を懸命に生きておられる方がたくさんおられます。原発事故や経済問題などで故郷を遠く離れ、孤立した状態で生活再建の問題に直面している被災者の方々、特に母子での避難者が今後どのように扱われていくのかについては、注意深く見つめていく必要があるでしょう。

災害は、日常の社会の抱える矛盾や課題を拡大させる形で被害を拡大させます。災害の被害を減らし、復興を早めるためには、災害後の対応に関する個別のノウハウだけでなく、平常時の組織や制度、経済、文化のあり方自体を変えていく必要があります。性別や年齢、障害の有無などに関係なく、個人が尊重され生き生きと活躍できるような社会、排除や差別のない社会へと変えていくことが重要です。

それは、東日本大震災の被災者の方々が直面されている問題であると同時に、格差が広がり、大規模災害の頻発が予想される時代に生きる、私たちみんなが突き付けられている問題でもあります。

減災と男女共同参画 研修推進センターは小さな団体で、研修を主な活動としていることから、被災者のみなさまへの直接支援には取り組めてはおりませんが、微力ながらこれからも、女性(男性)や障害者・子ども・外国人の方などの多様な視点に立った防災・社会のあり方を問うてまいります。そして間接的なご支援や、被災者や被災地の現状についての情報発信、調査・研究に努めてまいりたいと存じます。

被災者のみなさまのこれまでの5年のあゆみが、次の5年で報われるものとなりますよう、心から祈りつつ、今後も、被災地内外の自治体、地域組織、市民団体、企業、個人のみなさまと連携させていただきながら、真摯に活動に取り組んでまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

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3月11−12日、東京の日比谷公園で行われた震災関連イベントで
NPO法人ウィメンズアイさんの出店の様子

 

 

●復興庁ウェブサイト「復興の現状と取組」より
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-1/20131029113414.html

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