●震災直後に「肺炎」増加 森田医師、口腔ケアの必要性指摘
(福島民友 2016年05月08日 09時19分)
相馬中央病院の森田知宏医師は、南相馬、相馬両市で東日本大震災発生からの1カ月、75歳以上の死亡率が震災前の水準に比べて約1.5倍(死者131人)に増えたとする研究結果を公表した。肺炎の死者数の増加が要因と分析、森田氏は「高齢者の肺炎予防対策として、避難所などでの口腔(こうくう)ケアが重要だ」と説明した。
森田氏らが所属する研究チームが調査。厚生労働省の人口動態統計などを基に、2006(平成18)年から14年までの、3月11日から4月10日の1カ月間の死者数(津波による死者数を除く)を比較するとともに死因を分析した。
研究結果によると、震災後1カ月間の75歳以上の死因について肺炎は男性33.3%(20人)、女性33.8%(24人)を占めた。06~10年は男女計20人程度で推移しており、震災後に突出して多いことが分かった。
肺炎の死者数が増えた理由について森田氏は口の中をきれいにしたり、口を動かす運動などをする口腔ケアについて言及し、「避難などに伴い、従来、介護士などから受けていた口腔ケアが十分にできなくなった可能性がある」と指摘。その上で「高齢者のコミュニティーづくりをサポートし、健康対策につなげることが大切だ」と述べた。
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