発達障害の子に配慮を 熊本地震で混乱、親も疲弊

発達障害の子に配慮を 熊本地震で混乱、親も疲弊
(中日新聞 2016年5月17日)

 熊本地震の被災地で、発達障害のある子どもたちが混乱や恐怖からさまざまな問題に直面し、親たちも対応に疲れ果てている実態が、研究者、支援者らで組織する「日本発達障害ネットワーク」(事務局・東京都港区)の調査で明らかになった。

 調査は、同ネット理事の辻井正次・中京大教授ら研究者七人が六、七日に実施。熊本県内の発達障がい者支援センターなどの行政機関や特別支援学校など五カ所で支援者、親ら約三十人から聞き取り、内容をまとめた。

 東日本大震災では「パニックになる」「奇声を上げる」などの理由で避難所に行けず、車中泊を強いられた家族が多かったが、今回も同じ傾向がみられた。「家は帰れる状態だが、地震の恐怖から子どもが嫌がるため車中泊せざるをえない」などと、自宅の被害が軽度でも苦しむ例が目立った。

 狭い車内で、目の離せない子の世話に疲れ果て「配給の列に並べない」「一日一、二時間でもいいから、預かってほしい」と支援センターに助けを求める電話も相次いでいる。

 自宅に戻れても「不安がって外に出ようとしない」「震度1の余震でも大声を上げて騒ぐ」「最初の地震の時に入浴中だったので、以来おふろを怖がって入れなくなった」など混乱が続くケースが多い。避難所で暮らす家族は「行列に並べないため運営スタッフに相談したら、和を乱すと叱られた」と、障害への配慮の乏しさを訴えた。自宅が大破し「転校の話をしたら、子どもがパニックになった」という例もあった。

 聞き取り調査の範囲では東日本大震災後に導入された福祉避難所の利用例はなかった。一方で、通い慣れた特別支援学校に預かってもらい、落ち着いて過ごせた子たちもいた。

 辻井教授は「終わりが見えない状況は、発達障害の子には耐えがたい。大きな変化に弱い子たちを、周囲が日ごろから把握し、理解できているかどうかがポイント。今後は、個別の対応だけでなく、学校でのストレスマネジメント教育、教育委員会レベルでの子どもの心の実態把握などに取り組む必要がある。家族のサポート、教員や支援者の心のケアも重要だ」と話す。

◆遮音ボード、苦痛を軽減

 発達障害の子にとって、避難所が少しでも心地良い場所になるように、という新たな工夫もみられた。

 福岡市の音響設備会社「AURAL SONIC」(古沢秀和社長)は、自社が開発した遮音ボードのブース五個を熊本市内の避難所へ提供した。

 九十センチ四方の小部屋で、防音効果の高い素材が使われ、発達障害の人が避難所で感じやすい「音の苦痛」を軽減できる。「とても好評でした」と古沢社長は話す。

http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016051702000084.html

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