ネパール地震から2年:再建を担い、新たな職業に就く女性たち

ネパールの大地震(2015年4月25日)からちょうど2年が過ぎました。

イギリス放送協会(BBC)が、家屋や施設の再建のために建設業で働く女性が増加していると伝えています。
(BBC News, 2017年4月24日, http://www.bbc.com/news/world-asia-39694171,原文「How Nepal quake turned women into builders」)。

家屋や学校・病院など多くの建物にも甚大な被害をもたらしたネパール地震。ネパール政府の復興方針によると、被害を受けた家屋の再建を5年間で完了するには、6万人の熟練建築工が必要だそうです。しかし、格段に高い収入が得られる海外へ出稼ぎ労働者として人材が流出し、特に男性労働力が不足していることに加え、建築工の多くが耐震補強の技能を持ち合わせていないことが、再建を進めるうえで大きな問題になってきました。

そんななか、BBCが伝えたのが、新たに建設業に参入した女性たちの様子です。煉瓦造りの家が多いネパールで、煉瓦やセメントの運搬、家屋の基礎作り、壁や屋根の設置、左官など一連の作業を行う女性たちの様子が紹介されています。ネパールでは、従来から女性たちも農業や商業だけでなく、工事現場の労働を担ってきました。しかし、単純労働者として従事することが多く、技能(耐震補強を含む)を備えた建築工として女性が働くことは、これまで珍しかったはずです。

熟練建築工として女性が増えた一因は、復興を支援する団体が、耐震補強を意識した家屋再建の訓練や研修の機会を女性に優先して与えていることです。復興のために雇用機会や職業訓練を提供する際に、これまでの男女の役割分担に沿った内容で行うのではなく、従来は女性の仕事と見なされなかった職業分野に積極的に女性を迎え入れることにより、ジェンダーの格差を解消する意図があります。このように復興を通じて建築業界の雇用をジェンダー平等な状況に近づけようという事例は、過去の大災害でも、インドのグジャラート地震、トルコのマルマラ地震などでも見られてきました。

記事には、なぜ女性たちがこの新しい職業に就こうと思ったかについて、賃金が他の肉体労働より非常に高いこと、女性としては海外に働きに行くより国内で働いた方が安全であることが、女性たち自身の言葉として紹介されています。

(文責:池田恵子)

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