新生児を関連死初認定 熊本地震で熊本市
(熊本日日新聞 2016/9/30 )
熊本市は29日、生後約3週間で死亡した女児を含む6人を、新たに熊本地震の震災関連死に認定したと発表した。県内の関連死はこれで53人となり、直接死の50人を上回った。大雨による二次災害の死者5人を含めて熊本地震の死者は108人となった。新生児が関連死と認定されたのは初めて。
市によると、女児の母親は4月14日の前震の際に妊娠5カ月だった。10日ほど車中泊を強いられ、かかりつけ医で切迫早産の疑いがあると診断された。しかし、かかりつけ医も被災しており、救急車と新幹線を乗り継いで九州内の病院に入院した。
5月上旬に羊水が真菌に感染していることが分かり、帝王切開で女児を出産。女児の体重は466グラムで、3週間後に敗血症で死亡した。真菌は免疫力が衰えたり衛生状態が悪くなったりすると感染しやすくなり、カンジダ症などを発症する。
市は「車中泊による身体的ショックや、風呂に満足に入れない環境で、早産や感染症のリスクが高まったことは否定できない」と判断した。
ほかに認定されたのは30~90代の男女5人で、4月20日から5月14日に死亡。原因は胸部大動脈瘤[りゅう]、高血圧性心臓病、慢性心不全、自殺だった。
医師らでつくる「市災害弔慰金等支給審査委員会」の答申に基づき、大西一史市長が27日付で決裁した。地震後に完全介護となった80代男性への災害障害見舞金支給も、今回初めて決めた。
このほか関連死の認定を求めた3人の弔慰金申請を却下。市の却下は10人となった。
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