第6期 伊賀市災害ボランティアコーディネーター養成講座の講師にお招きいただきました。

12月10日三重県伊賀市で行われた、災害ボランティアコーディネーター養成講座(全9回)の第7回「多様性に配慮した被災者支援」の講師に、当センターの浅野がお招きいただきました。主催は伊賀市社会福祉協議会と伊賀市災害ボランティアセンター です。
(講座の概要はこちら→ http://www.hanzou.or.jp/idvc/archives/86

当日は若手から先輩まで男女の多様な市民のみなさんが参加くださり、講義もワークショップもたいへん熱心に聞いて議論くださり、本当にうれしかったです。

わたしは日頃から、たとえ災害ボランティア向けの講座であっても、必ず地域防災組織の現状と、災害ボランティアおよび災害ボランティアセンターと地域リーダーと連携の重要性についてお話をしています。(そうでないと被災者ニーズがきちんと上がってこないため)

今回は受講者には多数の地域防災組織のリーダーもおられました。そのため、限られた時間で災害ボランティア/地域防災リーダーの両方の立場からお話をしていくという貴重な経験をいただくことで、とても勉強になりました。

また、「地域防災活動に女性のリーダーを増やしてく方法について教えて欲しい」との切実な質問をいただいたため、講座終了後に希望者を募って20分程度、組織や運営面で工夫している事例を複数挙げながらお話をしましたが、10数名の方たちが残って熱心に聞いて下さいました。

男女共同参画の視点の防災というと、「女性への配慮でしょ?」と特別視されがちですが、それは非常に大きな誤解です

人道支援の国際基準にもとづくと、被災者支援の質を担保し効果を上げるためには(=自治体であれボランティであれ支援側の責任をまっとうに果たすためには)、以下のことを実行することが求められていると言っていいでしょう。

(1)災害から影響を受けやすい人々とその状態について、家族・地域・社会の中での平常時・災害時の関係性と発言力の格差を含めてきちんと把握し見極めること

(2)平常時の防災・被災者支援計画と発災後の救援・支援事業、復興事業の意思決定の場に、災害の影響を受けやすいとされる当事者(家族や支援関係者含む)が、主体としてきちんと入ることができるよう環境を整えること

(3)そして災害時には実際に当事者視点を入れて活動し、被災当事者と協働すること

そして、性別というカテゴリーは、年齢(乳幼児や高齢者など含む)、障害の有無、国籍・母語の違い、家族状況、経済状況、暴力問題、社会的な発言力の高低といった、被災者支援に際して必ず考慮しなければいけない全ての要素を、横断的に貫く大きな要素なのです。

具体的に見ていきましょう。
高齢者・障がい者・乳幼児のケアをしている人は、家庭でもケア施設や専門職でも多くが女性です。そうすると、家庭や地域・職場において、災害時に女性が置かれ得る状況を考慮しなければ、高齢者・障がい者・乳幼児に的確な支援を届けることはできません。このようにケアの問題に女性の視点を入れることは、増加する男性の介護者や父子家庭のお父さんの支援に直結します。

障がい者支援とよく一括りに言われますが、障害者にも女性、男性、性的マイノリティの人がおり、プライバシー・衛生・防犯面での配慮は大きく異なりますし、障がい当事者の方たちの中での発言力にも格差があるでしょう。

外国人の女性や子どもは、二重・三重に困難要素を抱えていると考えるべきです。
もちろん、男性に傾向として見られる災害時の困難もありますので(家庭経済や組織における責任荷重、孤立、自殺率や孤独死が女性と比較するとかなり高いなど)、こうしたことも支援事業に組み込むべきです。

このように、防災分野のあらゆる側面で男女共同参画の視点は不可欠であり、とりわけ災害時要援護者・要配慮者支援については、表裏一体のものとして考えるべき要素であると言えます。

今回の受講生のみなさまには、おそらくこうしたことは十分ご理解いただけたのではないかと思います(もちろんもっと日常的な言葉でわかりやすくお話させていただきましたが!)。

講義のチャンスを下さった伊賀市のみなさま、本当にありがとうございました。

(文責:浅野幸子)

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